平成30年(2018年)6月18日未明に発生した大阪府北部を震源とする地震により、大阪府内小学校のブロック塀の倒壊による痛ましい事故が発生。そのブロック塀は建築基準法に違反したものでした。その後、危険なブロック塀の撤去や建て替え、調査のあり方が議論され、国土交通省や市町村においても対策強化が行われています。ブロック業界も素材のブロックの軽量化や安定度を高めた震災対応型のものの開発などの努力を重ねています。

目次

---

1. 自宅のブロック塀の危険度チェック！

1-1　塀の高さ
1-2　塀の厚さ
1-3　控え壁の有無
1-4　基礎の有無
1-5　塀の傾きやひび割れ

2. 安全なブロック塀の設置

2-1　塀の施工は必ずプロに相談
2-2　ブロック業界の努力
2-3　震災に強い型枠ブロック

3. ブロック塀施工事例

3-1　神戸市個人邸 リフォーム
3-2　神戸市個人邸 新築外構工事

4. 危険な塀の撤去には補助金を活用

塀の高さ

塀の高さが地盤から2.2m以下が適合。

塀の厚さ

塀の厚さが10cm以上が必要。（塀の高さが2ｍ超2.2ｍ以下の場合は15cm以上が必要）

控え壁の有無

塀の高さが1.2ｍ超の場合、塀の長さ3.4ｍ以下ごとに、塀の高さの1/5以上突出した控え壁が必要。

基礎の有無と根入深さ

高さ1.2m以上の壁の場合、コンクリート基礎の根入れ深さが30㎝以上必要。

塀の傾きやひび割れ

壁に傾き、ひび割れがないか。
※塀の中に直径９mm以上の鉄筋が、縦横とも 80cm間隔以下で配筋されており、縦筋は壁頂部および基礎の横筋に、横筋は縦筋にそれぞれかぎ掛けされていなければ不適合。（分からない場合、外観からは判断できないので、プロへの依頼が必要）

イラスト出典：西宮市ホームページ

塀の施工は必ずプロに相談

ブロック塀の設置に関する建築基準法の改正は、大きな地震の際に行われてきました。1968年に起きた十勝沖地震、1978年に起きた宮城沖地震後の1971年と1981年に大きな改正。その後2001年に軽微な改正。
建築基準法違反にならない様、ブロック塀を含む塀の施工設置はプロに相談してください。

※ブロック工事士、ブロック塀診断士などの有資格者のいる施工会社がより安心です。

ブロック業界の努力

建築基準法違反の施工が原因の事故であっても、ひとくくりで「ブロックは危険」と広がってしまうのはネット社会の黒い部分。ブロック業界は大打撃を受け、苦労が続いています。
その状況下、震災対応型のブロックの商品開発、商品化が進んでおり、より安全性の高い商品が産声を上げてきています。ブロック業界の努力には脱帽です。

震災に強い型枠ブロック

型枠ブロックは穴の開いている部分の面積が多い分、コンクリートの充填量が多くなり、強度が高い。また、打ちっぱなしのコンクリートと違い、型枠の設置も撤去も必要なく、非常にコスパに優れている。ただ、普通のブロックに比べると高いので、複数の施工会社に見積もり依頼する場合、同一素材での比較が必要。安い！と思って発注し、普通ブロックだったとならない様にしたい。施工完了後の外観では区別がつかないので、要注意です。

リフォーム前

エクステリア・外構/ 施工：フォーシーズンズ夙川店

型枠ブロックで
安全強化
多段のブロック積みなので、下４段は震災に強い型枠ブロックを施工し、安全強化。

壁塗りにせず、タイル貼りにすることで高級感を演出。施工のタイルは汚れにも強く、20年～30年はノーメンテナンスでOKなのも嬉しいところ。
※インターホンとポスト部のモザイクタイルのアクセントがおしゃれ。

危険なブロック塀などの撤去には市町村の補助金の活用をお勧めします。
この補助制度が終了した自治体でも、新たな塀を設置する際に活用できる助成金もあります。
西宮市の「住まいの緑化助成制度」や宝塚市の「生垣等緑化推進助成制度」のような制度もあります。

ぜひ、施工会社への依頼時に聞いてみてください。

※フォーシーズンズ夙川店には、ブロック工事士、ブロック塀診断士などの有資格者が在籍しています。