家族にやさしいバリアフリー エクステリア
住宅に関するバリアフリー化について国土交通省は、新設される公共賃貸住宅において、設計、設備の面で障害者等に配慮し、加齢等による身体機能の低下等に対応した住宅を標準仕様として供給するとともに、手すりの設置、広い廊下幅の確保、段差の解消等がなされた住宅ストックの形成を推進するとしています。介護保険での補助や市区町村の補助事業も後押しとなり、バリアフリー化需要はますます高まっています。
段差の解消は小さい子供の思わぬケガの防止にもなります。バリアフリー化は高齢者だけではなく、家族の皆にやさしいものです。
バリアフリー化のポイントはここ
庭の整理とリガーデン
バリアフリーとは、障害を持つ方や高齢者が、生活する上で生活の支障となる物理的な障害や、精神的な障壁を取り除くための施策を言います。
先ずは、庭にある不要になったものや障害になり得るものの整理をしましょう。
また、最近ではリガーデンする方が増えています。リガーデンの主な理由は、「①車いすの通路の確保 ②段差の解消 ③植物の世話ができなくなった」などがあげられます。
門、玄関周りでの事例
エクステリアのバリアフリー化では、「(車いすの移動が楽になるように)スロープの設置、(介助される方の歩行スペースを確保するために)通路幅を広げる、(門と玄関の間に)手すりの設置」など門と玄関周りのリガーデンが多いです。
最近では、「宅配ボックス」の設置も増えています。急いで受取りに出なければならないことに気が重かったり、コロナ過で他人との接触を避けたい、などが主な設置理由です。
足元を明るく
エクステリアライトはアプローチや段差のある場所の足元を照らし、転倒防止になります。デザインはシンプルなものからアンティーク調のものまで各種あり、エクステリアに合わせて選ぶことが可能です。DIYで設置する場合は、電気工事の必要のない12Vライトがおススメ。壁に備え付けるタイプであれば通路幅を狭めず、「車いすでの通行」や「介助者との通行」の妨げになりません。
LED フットライト BERKLEY FT-02-2
H86mm×W140mm /エクステリアライトSHOP(Yahoo!ショッピング内)
補助金制度を活用
介護保険制度
介護保険による「住宅改修費」の支給対象となる工事の種類は決まっており、下記内容がエクステリア改修で利用できる例です。
【段差の解消】
居室,廊下,便所,浴室,玄関等の各室間の床の段差及び玄関から道路までの通路等の段差を解消。対象工事としては、敷居を低くする工事やスロープを設置する工事。
【手すりの取付け】
玄関から道路までの通路等に転倒予防もしくは移動または移乗動作に資することを目的として設置するもの。
市区町村の制度
介護保険以外にも、市区町村などが行っているバリアフリーリフォームの補助事業があります。
自治体によって支給条件や工事内容が異なりますので注意してください。下記は神戸市の例になります。
【神戸市の例】
ー対象世帯ー
下記の全てに該当する世帯
神戸市にお住まいで、自らが住む住宅をバリアフリー化しようとする65歳以上の高齢者がいる世帯。
世帯員全員が要支援又は要介護認定を受けていないこと。(「介護事業対象者」の方はお申し込みできます。)
世帯の年収が下記のとおりであり、市民税を滞納していないこと。
【世帯種別世帯の年収】
<高齢単身世帯>
総所得230万円未満 または (年金収入+その他総所得)=350万円未満
<高齢夫婦世帯 (夫婦のいずれか、または、両方が65歳以上)>
総所得230万円未満 または (年金収入+その他総所得)=473万円未満
<上記以外の世帯>
総所得520万円未満
ー対象住宅ー
対象世帯が居住する神戸市内の既存住宅。
戸建住宅・共同住宅、専用住宅・併用住宅、持家・借家を問いません。
共同住宅の場合は、専有部分のみを対象とします。
併用住宅の場合は、専ら居住の用に供する部分のみを対象とします。
借家の場合は、所有者がバリアフリー改修工事を承諾をしていること。
エクステリアのバリアフリー施工事例
門扉などがあるクローズドの外構をオープン外構化しています。
玄関への導線は緩やかなスロープにすることで、車いすでも楽に玄関との行き来ができます。
カーポートは駐車幅を狭めない様に実用性を考え、支柱が後ろにあるタイプを採用しています。
バリアフリー化前
バリアフリー化 / 施工:フォーシーズンズ夙川店
ライフスタイルの変化に強いエクステリアとは
庭から / 施工:松本伊株式会社(casa の家 corso)
リビングから / 施工:松本伊株式会社(casa の家 corso)
ゲストを呼んで楽しむBBQ、子供たちがのびのびと成長できるようにと設置したアウトドアリビング、ウッドデッキ。
将来的にこのウッドデッキにスロープを設置すれば、段差のある玄関を避け、車椅子で直接リビングへの乗り入れが可能になります。
ライフスタイルの変化に対応できるエクステリアか否かは「終の棲家」への課題、将来的な出費額の分かれ道にもなります。
新築のエクステリアプランやリガーデンプランと同様、建売住宅を購入する際にもエクステリアの柔軟性はチェックしておきたいポイントです。
バリアフリー化プランは時間をかけて
「こうすれば良かった。これは不必要だった。イメージと違った。」などと後悔しない様、日頃からある程度のイメージを持っておいたり、信頼のできる施工会社と相談しておくと、慌てることがありません。
例えば、「駐車スペースに屋根をつけるときに合わせてスロープを作る」などの費用効率の良い工事が行えます。
必ず利用したい固定資産減税などの減税制度には、適用期間があります。バリアフリー化プラン時に並行してチェックしておきましょう。
LIXIL 樹ら楽ステージ(施工イメージ)